3月19日、日銀はマイナス金利政策の解除を決めました。
これを受けて、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は19日、普通預金金利を現在の20倍(!)の0.02%に引き上げると発表しました。
みずほフィナンシャルグループとりそなホールディングスも後に続くようです。
マイナス金利政策の解除で1番影響を受けるのは、
「現在、お金を借りている人」
と、
「これからお金を借りようとしている人」
です。
両者とも金利が上がります。
すでにお金を借りている人で、変動金利を選択している人は、
「いつ金利が上がるのか?」
「どれくらい金利が上がるのか?」
と不安でしょう。
これからお金を借りようと思っていた人は、
「金利が上がったら、お金を借りにくくなる」
と考えていることでしょう。
今後、いきなり大きく金利が上がることはありませんが、徐々に上昇し、気づけば相当な金利の上昇が生じている、という流れになるでしょう。
今まで以上に金利には注意を払っておく必要があります。
このような状況下で、私が取り組んでいる不動産賃貸業にはどのような影響があるでしょうか?
まず、金利が上昇すると、住宅ローンやプロパー融資の金利も上昇します。
不動産は融資を受けて購入する場合がほとんどですので、金利が上昇すると不動産の購入が難しくなります。
このことから、
「金利の上昇は、不動産価格に下落圧力をかける」
と考えられています。
金利上昇時は不動産価格の変動が起こりやすいと言われていますので、不動産の購入を考えている方は、金利の動きとともに、不動産の価格の推移にも注視する必要があります。
もう1つ私が考えているのは、
「大家さんは、家賃の値上げがしやすくなるかも」
ということです。
実際に、ここ1~2年の間に、私の物件は再契約(更新のようなもの)の度、賃料を値上げしています。
理由を聞かれたら、
「ご時世です」
と答えています(笑)
「インフレの時代に入ったので、家賃もインフレしますよ」
という意味ですね。
そこに今回の金利上昇です。
多くの大家さんは融資を受けて物件を建てたり、購入したりしています。
そして、変動金利を選択している人が多いでしょう。
金利の上昇局面になると、月々の返済にかかる金利が上昇していきます。
すると、当初立てた計画通りに儲けが取れない状況になっていきます。
ではどうすればいいのか?
大家さんにとっての金利の上昇は、小売業にとっても原価の高騰と同じような影響があります。
小売業で原価が高騰すれば、値上げをするか、量を減らす(ステルス値上げ)で対応します。
ならば、大家さんも賃料を上げるしかありません。
もちろん、不動産賃貸業にきちんと取り組んでいない大家さんは値上げなどできません。
しかし、きちんと不動産賃貸業に取り組み、快適な住環境を提供している大家さんであれば、胸をはって賃料の値上げを要求できるはずです。
前述したように、私はここ1~2年の間、再契約の度に賃料の値上げをしてきましたが、今回の金利上昇を受けて、より強い意志を持って値上げをしていくことに決めました。
私は快適な住環境を提供している自信がありますので、何ら後ろ暗く思いません。
「なぜ値上げなのか?」
と聞かれたら、相変わらず
「ご時世です」
と答えようと思います(笑)
このメルマガをお読みの大家さんで、
「自分は快適な住環境を提供している自信がある!」
という方は、ぜひ賃料の値上げを検討してみてください。