スタンフォード大学から、おもしろい研究結果が発表されているそうです。
それは、
「裁判が行われる時間帯によって、裁判官は正しい判断ができていない可能性がある」
というものです。
この研究では、過去の裁判から1,100件の事件を調査しました。
その1,100件のうち、約3分の1の事件で仮釈放の判決が下されています。
この仮釈放の判決について、時間帯による差異、特徴が認められたのです。
その特徴とは、以下のようなものです。
- 早い時間帯に出廷した被告は、仮釈放される割合が高い。
- 昼食直前に出廷した被告は、仮釈放される割合が低い。
- 昼食後に出廷した被告は、仮釈放される割合が早い時間帯と同水準に戻る。
- 午後の遅い時間帯に出廷した被告は、仮釈放される割合が低くなる。
- その日の終わりの裁判では、仮釈放される割合が最低となる。
この結果から何が読み取れるのか?
裁判官が食事休憩を取った後は、仮釈放される割合が高くなっています。
つまり、
「裁判官の空腹の度合いが、判決に影響する傾向がある」
ということです。
裁判官は日々、人の人生を左右するような重要な判断を下していきます。
そのため、精神的にどんどん疲労していきます。
そこに空腹が重なると、さらに判断力に悪影響が出る、という仮説が成り立ちます。
これは、裁判官の話ですが、私たちも人ごとではありません。
この研究結果からは、
「意思決定するべきことが多いと、どんどん疲労し、より悪い判断をする傾向がある」
ということがわかります。
現代人は情報過多の時代に生きています。
情報過多になると、物事の進みが早くなりますから、常に判断を下す必要があります。
- このビジネスはやった方がいいのか?
- この株は買った方がいいのか?
- この人を採用した方がいいのか?
様々な場面で意思決定をしなければなりません。
すると、
「意思決定することに疲れてしまう」
のです。
そうして、意思決定の疲れから、正しい判断ができなくなっていきます。
このような状況を改善するためには、意思決定の基準を明確に設定することが効果的です。
私の場合は、判断基準として、サイクル論である、
「春夏秋冬理論」
を活用しています。
「春夏秋冬理論のサイクルから見て、このビジネスはやった方がいいのだろうか?」
といった感じで考え、判断をします。
基準が明確にありますので、意思決定によって疲れることがありません。
疲れていませんから、正しい判断が下せるようになっていきます。
ご自身が納得できる、使いやすい判断基準があれば、それを使っていいと思いますが、私個人としては、春夏秋冬理論を強く推しておきます。
ご興味ある方は、ぜひご活用下さい。
「意思決定するべきことが多いと、どんどん疲労し、より悪い判断をする傾向がある」
これは、大きな失敗につながることもあります。
絶対に忘れないようにした方がいいですね。